旧堺燈台は堺旧港南波止場の突端に位置し、建設当初の場所に現存する日本最古の木造洋式灯台として、国の指定史跡になっています。臨海工業地帯が迫る風景の中に静かにたたずみ、おとぎ話に登場しそうな雰囲気です。
明治10年、費用の大半を堺の人々の寄付で築造され、約1世紀にわたって港に出入りする船の航海の安全を見守ってきましたが、周辺の埋め立てなどにより昭和43年その役割を終えました。平成13~18年度に保存修理工事が行われ往時の姿が甦りました。
堺のシンボルとして愛され、街のいたるところに燈台がモチーフとなったデザインを見つけることができます。たとえばマンホールの蓋、公衆電話ボックスや郷土銘菓「堺燈台もなか」などです。
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夕日にたたずむ旧堺燈台 | ![]() |
旧堺燈台をモチーフにした公衆電話ボックス |
「乙姫さん」こと龍女神像は、右手に玉を掲げ、毅然とした表情でたたずんでいます。自由の女神のようにも、観音様のようにも見え、西洋と東洋が織り交ぜになった不思議な雰囲気をかもし出しています。頭部にもエキゾチックなデザインが施されています。
大浜地区は明治から大正にかけて海浜リゾート地としてにぎわったところ。明治36年、第5回内国勧業博覧会の際に、当時東洋一を誇った大浜水族館前に設置されたのが初代龍女神像です。昭和36年水族館の閉館と共に撤去されましたが、平成12年に市内の彫刻家・岡村哲伸氏の手により甦りました。平和と繁栄のシンボルだった乙姫さんは、時を経て再び、堺のまちを見守っています。
毅然とした姿が印象的な龍女神像
堺旧港一帯
旧堺燈台と龍女神像が位置する堺旧港一帯はプロムナードとして整備されています。スケッチする人、ウォーキングする人、ぼんやり海を眺める人…、ここで見かける人々のスタイルはさまざま。思い思いの時間を過ごすことができる新たな親水ゾーンとして親しまれています。
※掲載情報は、取材時点のものです。現在の情報については、直接お問い合わせ下さい。
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