旧天王貯水池
土塔は、堺出身の奈良時代の僧、行基が建立したとされる四十九院のひとつ大野寺の仏塔です。平安時代の「行基年譜」には神亀4年(727年)の起工とあり、鎌倉時代の「行基菩薩行状絵伝」にも、本堂・門とともに「十三重土塔」と記された塔が描かれています。
発掘調査によって土を盛り上げた一辺53.1m、高さ8.6m以上の十三重の塔で、各層には瓦が葺かれていたことがわかりました。また、各層の垂直面にも瓦を立てて風雨による盛土の崩壊を防いでいたようです。土塔では約60,000枚もの瓦を使用していたと考えられます。
さらに文字を記した瓦が1,350点出土しました。文字の大半は人名で、男女を問わず僧尼や氏族の名前も見られます。これらは行基と共に土塔を建立した「知識(ちしき)」と呼ばれる人々の名と考えられます。また、「行基年譜」と同じ「神亀四年」と記された軒丸瓦も出土しています。
土塔は非常に貴重な遺跡のため昭和28年(1953年)に国の史跡に指定されました。その後、平成21年(2009年)に史跡整備により全体を盛土で保護し、十二層まで復元しました。さらに、文字を記した瓦など出土品の一部は平成28年(2016年)に国の重要文化財に指定されました。
なお、土塔の約460m北方には行基が天平13年(741年)以前に造った薦江池(こもえいけ)ではないかと考えられる菰池(こもいけ)というため池もあります。
所在地 |
大阪府堺市中区土塔町2143-1 |
---|---|
アクセス |
泉北高速鉄道「深井駅」より南海バス「堺東駅前」行き乗車「深井東町バス停」下車すぐ、または徒歩約1.1㎞ |
あなたは旧式のブラウザをご利用中です
このウェブサイトを快適に閲覧するにはブラウザをアップグレードしてください。